上海万博大丈夫????
中国で初めて開かれる国際博覧会「上海万博」の5月1日の開幕まであと1カ月。「より良い都市、より良い生活」をテーマに、史上最大の242の国と国際機関が出展する。13億人を抱える「世界の市場」に向けた“ショーケース”との期待が膨らみ、上海市内を流れる黄浦江の両岸にまたがる会場ではパビリオン準備にも拍車が掛かる。だが会場を歩くと工事の遅ればかりが目立ち、「開幕時にパビリオンの10%近くは間に合わない」(上海市の楊雄常務副市長)との懸念も真実味を帯びてくる。
■「内装はこれから」
トラックが土ぼこりをもうもうと上げて走り、建設機械がうなる。2005年開催の「愛・地球博(愛知万博)」の2倍という328ヘクタールの会場に響く建設の槌音は中国の勢いを象徴するかのようだ。だが、開幕まで1カ月、4月20日の運営リハーサル開始まで3週間足らずというタイミングを考えると、本来は槌音も消え、展示など調整に入っている最終段階のはずだ。
金融危機のあおりで資金不足に陥り、着工が予定より2カ月以上ずれ込んだ米国館の最高執行責任者(COO)、マーク・ジャーマン氏は「パビリオンの建設はほぼ終了した。だが2030年の未来都市をイメージさせる内装はこれからだ」と話した。開幕に間に合うかどうかは明言を避けた。
会場内ではあちらこちらに建設資材がうずたかく積まれ、傍らに無造作に置かれた廃材を横目に作業員が一輪車を押していく。楊常務副市長の懸念を上回る20%のパビリオン工事が開幕時に間に合わないとの報道も地元では飛びかった。
■搬入は3社が独占
パビリオンの建設遅れは米国館のようなケースを除くと、中国の業者によるずさんな工事と、資材搬入や関連手続きの不便さが主な原因だとの指摘もある。
万博事務局では否定するが、建設中にパビリオンの2階の床が施行ミスによる強度不足で崩れ落ち、大半の工事をやり直したパビリオンがあったという。また、パビリオンで使用する機材の輸入も通関手続きに1カ月半以上かかって書類も煩雑な上、搬入業者は事務局側が指定した中国企業3社が独占している。パビリオン側の想定した期日通りに搬入が進まぬ困ったケースも頻発している。
難題のみ込む成果期待
だがそうした問題を抱えて作業の遅れに直面しつつも、「上海万博こそは中国の大衆にわが国の存在感を示す絶好のチャンス」(インド館のラジェス・カマー事務局長)と前のめりに話す関係者も少なくない。日本産業館の総合プロデューサー、堺屋太一氏は1970年の大阪万博の経験も踏まえ、「万博が閉幕する今年10月末には中国の人々の消費意識もすっかり変わるだろう」と“予言”した。
2年前の北京五輪では競技会場などの建設遅延が指摘されながらも、結局は突貫工事と国家の威信をかけたパワーで乗り切った。すでに前売り入場券が2200万枚も売れ、万博史上最高の7千万人もの来場者を見込む上海万博。いかに自国と中国の膨大な数の消費者との接点を増やすか。どんなに難題があったとしても、あり余る成果が得られると信じる関係者のエネルギーが先行し、追い込みは熱を帯びている。
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