吉野家中国で成功するかな?
13億人の巨大な“胃袋”を狙い、牛丼チェーンの吉野家が中国出店を加速している。日本人の胃袋は少子高齢化で縮むばかり。国内にとどまったままでは、じり貧だ。中国ではマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど米国発祥のファストフードが先行するが、食文化の近い日本生まれの牛丼なら勝算は十分とみて、1千店態勢計画を推し進める。日本の国民食となった“ヨシギュー”が次に狙うのは中国人民食だ。
ニュー・ロゥ・ファン
老若男女でにぎわうお昼時の吉野家の北京駅街店。目当てはもちろん「ニュー・ロゥ・ファン」(牛肉飯)だ。客はレジカウンターで料金を払い、プレートにのった牛丼を受け取って次々に席につき、勢いよくかき込んでいく。味付けは、日本のヨシギューとまったく同じだ。
「中国には、日本の外食成長期の19070年代前半の勢いがある。中国事業の拡大に最大のエネルギーをつぎ込む」
吉野家ホールディングスの安部修仁社長は、力を込める。
中国の一店舗当たりの来店客数は、日本の平均的な店舗の1・6〜1・7倍に上り、繁盛店では2〜3倍の集客力を誇る。
牛丼並み盛の価格は13〜15元(約173〜199円)。5〜6元で食事ができる現地の飲食店に比べ割高だが、「経済成長による所得増で割高感が薄れ、来店客数の増加につながっている」(同社)という。中国でもヨシギューは“安い”に変わりつつある。
内陸部も開拓
同社は、平成3年に香港に1号店をオープンし、9月末までに沿岸部を中心に218店を出店。21年2月期の販売額は約170億円に達した。さらに「2010年代半ばまでに1千店」の計画を掲げ、店舗網の拡大を急ぐ。
目標達成に向け、2月には、中国や東南アジアなどの戦略立案を専門に行う「吉野家インターナショナル」を設立。社長には専務だったナンバー2の田中柳介氏を据えた。
7月には、伊藤忠商事が20%出資する中国食品大手「頂新グループ」と、中国で合弁会社を設立することで合意し、年内の立ち上げを目指している。内陸部に強い同グループと手を組み、一気に出店エリアを広げる戦略だ。
吉野家の試算によると、中国の外食市場は年平均18%の成長を続け、現在約20兆円にまで拡大。とりわけ、ファストフードは平成20年に約6兆2000億円となり、17年に比べ6割も伸びたという。
中国市場には、すでにケンタッキーが2500店以上を出店し、マクドナルドも1千店以上を展開。米国のファストフードが、中国人の食生活にも深く浸透しつつある。吉野家は後発だが、“ハシとコメ”という共通の食文化を武器に市場を切り開く構えだ。
ライバル松屋も参戦
吉野家が中国事業拡大を急ぐ最大の理由が、国内市場の縮小だ。
「さまざまな販売施策を講じても、売り上げを押し上げる効果はない」
8日の21年8月中間決算発表で、安部社長はため息を漏らした。
連結最終損益は3億円の赤字。子会社のステーキのどんが食中毒問題で約8億円の営業赤字に陥ったことが響いたが、吉野家の既存店売上高も前年同期比4%落ち込んだ。低価格路線でデフレに強かった吉野家だが、未曾有の外食不況にあえいでいる。
先行きへの不安はさらに大きい。外食産業総合調査研究センターによると、20年の国内外食市場は前年比0・5%減の24兆4315億円と、ピークの9年から16%も縮小した。人口減少による先細りは避けられず、市場規模の日中逆転は時間の問題だ。
吉野家だけでなく、ライバル各社も、こぞって中国を目指している。
牛めしの松屋フーズは9月末に上海に1号店をオープン。今後3年かけて上海で10店の展開を目指す。
上海を中心に41店を展開するイタリアンレストランのサイゼリヤは、来年8月までに新たに40〜50店を新規出店する計画だ。今年7月に中国・北京に初出店したファミリーレストランのセブン&アイ・フードシステムズも、今後3年以内に30店を出店する方針を固めている。
食習慣の違いなどが障壁となり海外展開が難しく、国内にとどまってきた外食チェーンも日本を飛び出さざるを得なくなってきた。まずは中国人民の胃袋を満足させることができるかかが、生き残りのカギを握っている
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