北京の日本大使館によると、丹羽宇一郎大使の乗った公用車が27日午後4時(日本時間同5時)過ぎ、北京市内の外出先から環状道路を通って大使館へ戻る途中、少なくとも2台の車に走行を妨害され、強制的に停車させられた。
妨害した1台の車から中国人の男1人が出てきて、大使の車に掲げてあった日本国旗を外し、持ち去って逃走した。丹羽大使を含む乗員にけがはなく、国旗を掲げていた棒が損傷した。
日本大使館は同日夕、中国外務省に対して抗議し、再発防止と事件の刑事捜査を求めた。中国外務省は「事件発生は極めて遺憾。事件の再発防止に全力を尽くし、事件については法に基づいて厳正に対処したい」と回答したという。
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丹羽・中国大使の公用車、北京市内で襲われる |
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丹羽宇一郎駐中国大使の公用車が襲撃された事件で、中国公安当局が男3人、女1人の中国人計4人を容疑者として取り調べていることが8月31日、関係者の話で分かった。今後は容疑者の処分が焦点となるが、中国の司法関係者は軽い行政処分にとどまると指摘、当局が事態複雑化の回避に動いているとみられる。
中国外務省は30日夜、捜査状況を日本側に伝えた。捜査中の事件を外国外交官に説明するのは異例。尖閣諸島を巡って波立つ日中関係が、この事件でさらに複雑化する事態を懸念していることは間違いない。
中国人弁護士や北京大学の法学教授は、国旗を掲げていた車のポールが折られた程度で大使らも負傷していないため、重罪に問われる可能性は低いとみる。社会の秩序を守る「治安管理処罰法」23条の禁止事項「公共交通の秩序の混乱」などの適用が考えられ、罰金処分が下される程度との見方を示した。
過去には、北京で04年8月、サッカーのアジアカップ決勝の試合後に日本大使館の公使が乗った車が中国人サポーターに襲撃され、後部ガラスが割られるなどしたが、容疑者は摘発されていない。
今回の事件で容疑者が特定された後も、ネット上では「無条件で釈放せよ」などの強硬な書き込みが目立ち、「愛国無罪」の風潮が反映されている。中国当局はこうした声に配慮し慎重に捜査を進めざるを得ない状況だ。
08年に発覚した中国製冷凍ギョーザ中毒事件では、容疑者逮捕まで2年余りかかり、容疑者は起訴されたが初公判は開かれず、真相は闇の中。中国当局は過去の事例も考慮し、真相を公表せず幕引きさせる可能性もある。