中国における現地法人の登記に関する説明

中国への進出形態としては、現地法人を設立する場合は合弁、合作、独資方式が考えられます。
合弁の場合は、現地法人の権利・義務が出資比率で全て応分負担となる。
合作の場合は、現地法人の権利・義務を投資者双方が合作契約で決める。
独資の場合は、100%外国側出資。
一、合弁企業の設立に関する主な審査手続きは以下の通りである。
1、プロジェクト建議書の作成及びF/S(フィージビリティースタディー企業事前調査)
2、プロジェクトの談判、即ち中外双方は合資の件については具体的な交渉を行う。
3、契約書を締結、定款を決める。
4、審査手続き及び登記の手続きの申請
中国側 外国側
合弁或は合作企業設立意向書
プロジェクト建議書
(中方が作成)
対外経済貿易 関連部門に
合作部に提出 副本を提出
批准されない或は 審査の意見
修正を要する
F/S(企業事前調査)
工商行政管理局へ   契 約 書 会計士事務所
企業名称の登 定 款 弁護牛事務所
登申請を提出 申請批准書
対外経済貿易 関連部門に
合作部に提出 副本を提出
       (合資企業90日以内)
       (合作企業45日以内)
修正を要する 審査意見
批准書が下りる
       (1ヶ月以内)
現地の工商行政管理局
から営業許可書を受取る
税関、対外税務局に登記
銀行口座を開設
ニ、合作企業の設立に関する主な手続きは上述の合弁企業とほぼ同様である。
  (以上の合弁企業設立手続きを参考)
三、独資企業の設立に関する主な手続きは以下の通りである。
1、初歩的な申請報告書を提出する。正保的な申請報告書の内容は、趣旨の設立、経営
  範囲、規模、製品の名称、技術設備の取り扱い、インフラ(水、電気、ガス等エネルギー)
  条件、要求等を含む。
2、審査機関の返事を受けた後、正式に書類を提出する。正式に提出する書類は、
  申請書、F/S(企業事前調査書)、新会社の定款、董事の任命書、董事の身分
  証明書・写真、必要な輸入設備及び審査機関から初歩的な申請報告書に対する
  返事書類などを含む。
3、審査機関は以上の書類を受取った後90日以内に諾否を決める。
4、登録及び営業許可書を受取る。
中国側の受託会社 外国側
受託代理書
プロジェクト建議書
(受託会社が作成)
対外経済貿易 関連部門に
合作部に提出 副本を提出
批准されない或は 審査の意見
修正を要する
受託 F/S(フィージビリティー 渉外会計士
工商行政管理局へ 会社 スタディー企業事前調査) 事務所
企業名称の登 作成 定 款
登申請を提出 申請批准書
対外経済貿易 関連部門に
合作部に提出 副本を提出
       (90日以内)
修正を要する 審査意見
批准書が下りる
       (1ヶ月以内)
現地の工商行政管理局
から営業許可書を受取る
税関、対外税務局に登記
銀行口座を開設
注意点:
1、投資側は批准書を受取った後1ヶ月以内に批准証、契約、定款及び企業名称の認可書、敷地
使用書類等を持って、«中華人民共和国企業法人登記管理条例»の規定に基づき、国家工商局
或は国家工商局に授権された所在地の工商局に登記申請を提出する。
外商投資企業設立に際し、必要な提出書類、証明書は(1)董事長、副董事長より署名した
外商投資企業登記申請書;(2)契約書、定款及び審査機関から下りた認可書類及び批准書;
(3)プロジェクト建議書、F/S調査書及びその認可書類;(4)投資者の合法開業証明書;
(5)投資者の資本使用証明書;(6)董事会名簿及び董事会成員、総経理、副総経理の任命書
及び上述中方人員の身分証明書;(7)その他の関連書類、証明書。
国家工商局から下りた«中華人民共和国企業法人営業許可書»を受取った後、外商投資企業は
正式に成立し、且つ中国法人資格を取得した。営業許可書をもって外商投資企業が会社印鑑
の作り、銀行口座の開設などの活動はできる。晴れて営業開始となる。
2、中国では外貨流出を避けるため厳しく外貨持出し・送金規制をしている。その一環で
従来許されていた会社設立前に開業準備金として持ち込んだ資金を資本金の一部とする
には、銀行に臨時資本金口座を先ず開設し、その口座を経由して支出された資金しか資本
金への充当が認められなくなっているので注意が必要である。
3、税務設立登記をする時には新公司の財務担当者を採用し、その担当者が税務講習を
受講しない限り登記申請が認可されないし、増値税(日本の消費税)の専用領収書を
受取ることができない。中国では日本のようにすべて税務局発行の納税者番号入りの
領収書を使用しなければならない。因って公給領収書がない限り企業は経費算入するこ
とができない。
4、銀行口座は資本口座、経常口座、納税専用口座を外貨と人民元に分けて作る。
中国,合資、合作、独資企業の比較
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